半導体パッケージテクノロジーのエキスパート

株式会社SBR テクノロジー

第4回Foundryにとってパッケージは重要戦略に

連載・次世代パッケージ 2020 第4回
○ファンドリー各社、PKGを重要視
○OSATはこの波に飲み込まれるのか?

TSMCはCoWoSにより、従来の最先端のテクノロジーノードでも実現できなかった大規模FPGAを複数のチップを2.5Dで実現した。TSMCが自らパッケージを取り込もうとしているのは、ICの高性能化及び大規模化の実現をテクノロジーノードの進化以上に実現させる手段を実現するためであろう。パッケージは本来ICをボードに接続するためのもので、IC性能をロスなく100%近く引き出せるかを目指してきた。そこにはIC機能以上の実現という発想は存在していなかった。TSMCは依頼されたICを作るだけから、IC機能の2.5/3D化でより高機能化を実現できるあらたなFoundryを目指している。

モバイルに対してもFO-WLPの進化型のInFOを提案しており、従来のFC構造に比べてパッケージ性能としては明らかに優れている。DRAMのバンド幅を伸ばしていくためにWide IOを3Dで実現する“希望”は未だ存在する中で、InFOのPoPの構造は、Wide IOを適用する事も可能と思わせる。つまりInFOの推進もパッケージよる高機能化実現の一貫であり、TSMCがそれを率先しているという事になる。

Fab、基板、OSATSという役割分担はIC製品実現のエコシステムとしてインフラができてきた。ただ、IC製品機能向上を伴う最適化に対してはICとパッケージの一体デザインが必要で、今後ICとパッケージの境界を超える必要がある。IDMはそれを実現してきて、エコシステムになった今、再度それをFoundryが実現しようとしている。IntelがEMIBを推進しているのもCoWoSと同じ思想であろう。CPUとFPGAを2.1Dで接続しCPUの性能を大幅に上げる事を狙っている。IntelもFoundryとしてのビジネスを開始し、その一貫にこのパッケージをIC機能向上のソリューションとして位置づけている。

SamsungはFoundryとして、14n世代でついにTSMCのテクノロジーに追いつき、10nではTSMCより早く量産化の予定を示すほど急成長した。アップルのAPでは、TSMCとシェアを競い、QUALCOMMなど勢いのあるプレイヤーの製造を行うまでになった。GPUやARMサーバーなどの製造の比率も今後増える見込みである。SamsungはIDMとして、自社のAPに対しては3D TSVの実用化に対して最も積極であったし、DRAMに対しても積極的にFC化、3D化を進め、先端パッケージを使いこなしている。Foundryとしての立場になったのは歴史が浅いがIntelと同様IDMとしての実力者である経験を活かして、高機能パッケージによるソリューションを提供する事は可能と思われる。今後TSMCとのシェア争いが常に話題になっているアップル向けAPに対してのFO-WLPは自社で対応する予定なのか? ARMサーバー用の2.5Dはどうするのかなど注目したい。

Globalfoudry(GF)はIBMのIC製造を全て任された。IBMはUSの先端サーバーをUS内で製造実現するという責務を背負ってきた。GFは今後その役割りを担うことになり、先端ノードの製造をTSMCと同じタイミングあるいはそれ以上の速度で実施する事が求められる。Samsung、GFはIBMがリードする先端研究アライアンスグループである。先に述べたようにSamsungはTSMCに製造技術で追いついた事で、GFに対しては製造技術のライセンスを行っている。GFも14nの製造はすでに開始していて、高性能サーバーCPUの製造が続けられるというシナリオである。GFも2.5DのインターポーザについてはTSMC以上に積極的に展開してきた。先端テクノロジーノードの実現と合わせて、ICと一体設計されたインターポーザを提供する事が可能になるので、TSMCと同じ提案はできるはずである。

このように主力のFoundry各社はICとパッケージの垣根を超えた高性能機能製品の実現をする事が重要な戦略であることを理解し実践しようとしている。今後OSATS、そのパッケージ基板のサプライヤー達はどういう戦略を取るのかは、とても重要な局面に来ている。Foundryが提供しようとしているソリューションの“サブコン”になってしまうのか? それでは“サブコン”からOSATSになってきた流れから逆行する事になる。基板サプライヤーも基板無しパッケージを主力にさせてしまっていいのか? それぞれの戦略にも注目が集まる。

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